meal 食事のこと

専門家からのアドバイス

東京聖栄大学健康栄養学部管理栄養学科 教授 宮内 眞弓 先生

多くのがん患者さんにとって、料理をするのは大変なことです。吐き気などがあると、料理を見るだけでもつらく、さらにご家族の食事まで準備するとなれば、なおさら大変でしょう。そこでおすすめなのが、できあいのお惣菜・缶詰や冷凍食品の上手な活用です。最近のお惣菜や冷凍食品は、種類も増え、おいしくなりました。少し手を加えたり、あるものを組み合わせることで、手早くかつ手作り感もある料理ができます。レンジだけで調理できれば、後片付けも簡単です。冷凍食品をお子さんのお弁当とすることに罪悪感をもつ方もいらっしゃいますが、ご自身の状態を説明すれば、お子さんも理解してくれるでしょう。
仕事に復帰された方は、昼は外食が多くなり、栄養バランスが気になるかもしれません。栄養の過不足は、ご自宅での朝食や夕食で調整し、一日全体で考えてみましょう。そのほかの工夫として、焼き鮭やハンバーグ、そぼろなどを休日に作って冷凍しておくと、なにかと便利です。簡単に作れるレシピをいくつかご紹介しますので、気負わず楽な気持ちで、料理や食事を楽しんでください。

東京聖栄大学 健康栄養学部管理栄養学科
教授 宮内 眞弓 先生

かんたんおいしいレシピ集

がん研究振興財団 作成『こころとからだを支えるがんサバイバーのための
かんたんおいしいレシピ』を参考にアレンジしたレシピをご紹介します。

かんたんおいしいお弁当

  • レンジだけでお手軽!
    鮭弁当

    お弁当の用意は、手間がかかると思っていませんか?
    すべてを手作りすると大変ですが、冷凍食品などを利用することで、お弁当作りはずいぶん楽になります。
    手作りするときも、工夫しだいで簡単に作れます。ここでは、レンジだけで作れる、お弁当の定番とも言える鮭弁当をご紹介します。

    NOVARTIS × おいしい健康

プラス インフォメーション

  • 冷凍活用(ホームフリージング)のすすめ
    • 冷凍野菜とホームフリージングを活用するのがおすすめ
    • 残り野菜でコンソメスープ、カレー、クリームシチューに

    時間に追われ、疲れている患者さんが、料理のたびに野菜を洗い、切って使うのは大変です。そこでおすすめなのが、冷凍野菜の活用です。市販のものを使えば、手軽に野菜がとれます。品種や産地の好みがあるなど、生の野菜を使いたい場合は、時間があるときに洗って適当な大きさに切り、冷凍しておくと良いでしょう。食べきれなかった残り野菜は冷凍すれば、スープやシチューの具として使えます。大根などの根菜は、冷凍すると味がしみやすくなるという利点もあります。冷凍野菜は長持ちするので、買い物に行く回数も減らせるでしょう。薬味として少しだけ使いたい野菜も、冷凍しておくと便利です。

フリーザーバッグ(袋)に入れる前の処理

食品 冷凍前の準備
小松菜 根元を切り、泥をよく洗って水気を切り、3cmくらいに切る。みそ汁の具など、汁物やスープに用いるのがおすすめ。
にんじん
玉ねぎ
皮をむいて半分に切り、薄く切る。スライサーを使うと便利。
にんじんと玉ねぎを一緒に使うことが多ければ、混ぜて冷凍しておくとさらに便利。
きのこ類 えのき、しめじ、まいたけ:いしづきがあるものは包丁で取り、3cmくらいに切って手でほぐす。
しいたけ:包丁でいしづきを取り、軸の部分は手でほぐし、かさの部分をスライスする。
きのこ類は、茹でたり炒めたりする場合は事前に解凍せず、そのまま調理が可能。一緒に使うことが多いものは、混ぜて冷凍しておくと便利。
豆腐
(そぼろ)
豆腐を皿に移して、電子レンジで2~3分加熱し、出てきた水を捨てて袋に入れ、つぶす。
納豆 容器のまま袋に入れる。
油揚げ きざんで袋に入れる。
エビ 水とともに袋に入れ、氷の中に閉じ込めた状態にする。
ねぎ・
みつば
はさみで小さく切って袋に入れる。
しょうが せん切りにして袋に入れる。
にんにく 薄く切って袋に入れる。
レモン・
ゆず
輪切りにして袋に入れる。
だし 濃いめに作っておき、製氷皿に入れる。
パン 1つずつラップで包んで、袋に入れる。2 週間程度は保存可能。袋に日付を書いておくと便利。
  • 便利グッズ
    患者さんの中には、「指先に力が入らない」「手がしびれる」といったお悩みをおもちの方がいらっしゃいます。その状態で料理をするのは大変ですが、調理器具で解決できるかもしれません。普段の料理が少し楽になる、便利なグッズをご紹介します。

ボトルオープナー

  • フタを開ける部分の反対側で、缶のプルトップも開けられます。
    【こんな方に】
    ・握力がない
    ・指先に力が入らない
    【購入先】
    キッチン用品売り場

みそマドラー

  • 1、2人分のみそを簡単に計量でき、みそをとったらそのままお湯に入れて混ぜられます。
    【こんな方に】
    ・計量が苦手
    【購入先】
    キッチン用品売り場、100円ショップ

軽くて薄いまな板

  • 軽くて薄いので、曲げて食材を鍋や容器に移すことができます。
    【こんな方に】
    ・重いものが持てない
    ・指先に力が入らない
    【購入先】
    キッチン用品売り場、100円ショップ

  • がん研究振興財団 作成
    『こころとからだを支えるがんサバイバーのための かんたんおいしいレシピ』

がん研究振興財団が作成された、「こころとからだを支えるがんサバイバーのための かんたんおいしいレシピ」では、さらにたくさんのレシピが紹介されています。こちらもご参考にしてください。

やきとり缶で親子丼

やきとり缶で親子丼
  • エネルギー:481kcal

  • たんぱく質:22.0g
  • 脂質:13.0g
  • 炭水化物:67.3g
  • 食塩:1.4g

コメント

缶詰のやきとりは肉が柔らかく、味がしっかりとついているので、調味料を使わず簡単に親子丼が作れます。やきとり缶は何種類も市販されているので、好みのものを見つけると良いでしょう。

  • 材 料 (1人分)

    • ごはん150g
    • やきとり缶1缶
    • 玉ねぎ20g
    • しめじ10g(約10本)
    • 1個
    • 万能ねぎ少々
  • 作り方(調理機器:鍋)

    • 玉ねぎを薄切りにする
    • 鍋に焼きとり缶、切った玉ねぎとしめじを入れる
    • 野菜に火が通ったら卵をまわし入れる
    • 卵の固さは好みで火を止める
    • 器にごはんを盛り、④をのせる
    • 好みで万能ねぎなど散らす

宮内先生からのアドバイス

味つけが濃すぎると感じたら、やきとり缶の汁は入れないようにしたり、野菜の量を増やしたりして、味を調整しましょう。

さんま蒲焼丼

さんま蒲焼丼
  • エネルギー:406kcal

  • たんぱく質:14.4g
  • 脂質:7.5g
  • 炭水化物:68.9g
  • 食塩:1.9g

コメント

火を使わずあえるだけなので、面倒な魚料理も簡単。味もしっかりとついているため、ごはんがすすみます。長芋をすりおろしたとろろに味つけをしたい場合は、さんま蒲焼缶の汁を足すと良いでしょう。

  • 材 料 (1人分)

    • ごはん150g
    • さんま蒲焼缶1/2缶
    • きゅうり1/4本
    • みょうが1/2個
    • 梅干1/2個
    • 長芋30g
    • 白ごま少々
  • 作り方(調理機器:なし)

    • さんま蒲焼缶を開け、さんまを 1/2 ~ 1/3に切る
    • きゅうりは小口切り、みょうがは薄切りにする
    • 梅干は種をのぞき、細かくちぎる
    • 長芋をすりおろす
    • 温かいごはんに①、②、③をまぜ、白ごまをあえる
    • 茶碗に盛り付ける
    • ④をかける

宮内先生からのアドバイス

とろろは大和芋でも作れますが、粘り気が強くのばさなくてはいけないのと、スーパーマーケットなどでの手に入れやすさから、今回は長芋をおすすめしています。

さっぱりツナうどん

さっぱりツナうどん
  • エネルギー:397kcal

  • たんぱく質:19.1g
  • 脂質:13.5g
  • 炭水化物:47.9g
  • 食塩:1.9g

コメント

うどんをレンジで加熱すれば、鍋いらずで作れます。塩昆布を使うことで、調味がいりません。生のオクラを使う場合は、小口切りにした後に茹でます。温泉玉子はお好みで、うどんにのせても小鉢に入れて添えても良いでしょう。

  • 材 料 (1人分)

    • 冷凍うどん1玉
    • 冷凍オクラ2本
    • ツナ缶1/2缶
    • 塩昆布適宜
    • ポン酢適宜
    • 温泉玉子(市販) 1個
  • 作り方(調理機器:電子レンジ)

    • うどんは袋のまま電子レンジで加熱する(600W 約3分)
    • 冷凍オクラは解凍して小口切りにする
    • うどんをざるにあけて流水にさらし、水をきる
    • 温泉玉子以外の材料を混ぜる
    • 皿に盛り付け、温泉玉子をのせたら完成

宮内先生からのアドバイス

うどんは、天かすとの相性も良いです。天かすはエビやイカ、カニなどがミックスされているものも市販されているので、好みのものを探してみてください。

コロッケ卵とじ

コロッケ卵とじ
  • エネルギー:279kcal

  • たんぱく質:11.2g
  • 脂質:16.8g
  • 炭水化物:20.5g
  • 食塩:2.1g

コメント

めんつゆで味を調整できるので、味覚変化があるときなどにもおすすめです。お惣菜コーナーで市販されているコロッケではなく、レンジで解凍した冷凍コロッケでも作れます。コロッケのかわりにメンチカツやトンカツ、エビフライなどでもおいしくできます。三つ葉を青ネギに変えても良いでしょう。

  • 材 料 (1人分)

    • コロッケ(市販)1個
    • 玉ねぎ30g
    • しいたけ5g
    • 100ml
    • めんつゆ大さじ1
    • 1個
    • 三つ葉お好みで
  • 作り方(調理機器:鍋、電子レンジ)

    • 玉ねぎ、しいたけは千切りにする
    • 鍋に水とめんつゆを入れ、玉ねぎ、しいたけを煮る
    • 鍋にコロッケを加えてひと煮立ちさせる
    • 溶き卵を回しかけて蓋をして 火をとめる。1分くらい置く
    • 皿に盛り付ける

宮内先生からのアドバイス

揚げ物をご自分で作るのは大変です。鶏の唐揚げなどは、冷凍食品やお惣菜のものをそのまま食べても良いですし、市販されている酢豚の素などを使えば、違った味わいを楽しめます。

ポテサラ 油揚げ焼き

ポテサラ 油揚げ焼き
  • エネルギー:275kcal

  • たんぱく質:7.2g
  • 脂質:18.7g
  • 炭水化物:19.4g
  • 食塩:0.7g

コメント

油揚げは、きつね色になる程度に焼きましょう。ただし、焦げすぎないように注意が必要です。香ばしさとポテトの食感・味が食欲をそそります。カニカマをハムに変えてもおいしくできます。 お好みで、わさびをからしに変えても良いでしょう。

  • 材 料 (2人分)

    • ポテトサラダ(市販)120g
    • 油揚げ1枚
    • カニカマ1本
    • わさび適宜
  • 作り方(調理機器:オーブントースター)

    • 油揚げを半分に切り開く
    • ポテトサラダに刻んだカニカマ、わさびを混ぜる
    • ①に②をつめる
    • オーブントースターできつね色に焼く

宮内先生からのアドバイス

ポテトサラダは、コンビニでもおいしいものが手に入ります。具として初めからハムが入っているものもあるので、お好みで選ぶようにしてください。

切干大根とさきいかの和え物

切干大根とさきいかの和え物
  • エネルギー:41kcal

  • たんぱく質:2.7g
  • 脂質:0.2g
  • 炭水化物:8.2g
  • 食塩:0.8g

コメント

乾物を使って簡単に、食卓に1品増やすことができます。マヨネーズをあえれば、サラダ感覚に。工夫しだいで、いろいろとアレンジが楽しめます。

  • 材 料 (1人分)

    • 切干大根10g
    • さきいか3g
    • かいわれ大根少々
    • 塩昆布少々
    • ポン酢小さじ1
    • 柚子こしょうお好みで
  • 作り方(調理機器:鍋)

    • 水で戻した切干大根をお湯でさっと火を通しざるで水切りする
    • ①を食べやすい長さにカットする
    • さきいかを細かく手で割き、かいわれ大根、塩昆布、ポン酢と和える
    • お好みで柚子こしょうを混ぜる

宮内先生からのアドバイス

塩昆布は調味料のかわりにできる、とても使い勝手の良い食材です。上手に活用しましょう。

ピーマンとツナのレンチン南蛮風

ピーマンとツナのレンチン南蛮風
  • エネルギー:50kcal

  • たんぱく質:2.7g
  • 脂質:5.4g
  • 炭水化物:4.5g
  • 食塩:0.3g

コメント

レンジでチンするだけの、簡単野菜メニュー。ポン酢でさっぱり、お好みで七味唐辛子を入れればアクセントに。ごま油は、混ぜずに仕上げにかけてもおいしいでしょう。ツナは缶もパウチ(袋)も、どちらも使えます。

  • 材 料 (1人分)

    • ピーマン2個
    • ツナ10g
    • ポン酢小さじ1
    • ごま油小さじ1/2
    • 七味唐辛子適宜
  • 作り方(調理機器:電子レンジ)

    • ピーマンの種とへたをとり薄くスライスする
    • 耐熱の器に七味唐辛子以外の材料と①を入れ軽く混ぜる
    • 電子レンジで 1 ~ 2 分加熱する
    • 仕上げに七味唐辛子を適宜加える

宮内先生からのアドバイス

パウチ(袋)タイプのツナは、使い切れなかったときに保管しやすいです。缶タイプしか使ったことがないという方は、一度試してみてはいかがでしょうか。

鮭の照り焼き風

鮭の照り焼き風
  • エネルギー:146kcal

  • たんぱく質:18.8g
  • 脂質:3.9g
  • 炭水化物:6.5g
  • 食塩:1.0g

コメント

誰からも好まれる、照り焼き風の甘辛い味つけの鮭料理を、レンジで簡単に作れます。添え野菜のピーマンは、ゆでたほうれん草に変えてもよいでしょう。

  • 材 料 (1人分)

    • 生鮭一切れ
    • しょうが(すりおろし)チューブ4cm
    • しょうゆ小さじ1
    • みりん大さじ1/2
    • ピーマン1個
    • 白いりごま小さじ1/3
  • 作り方(調理機器:電子レンジ)

    • 鮭は骨と皮を取り、食べやすく2〜3等分のそぎ切りにします。ピーマンは種を取り、乱切りにします。
    • 耐熱容器に鮭を並べ、しょうが(すりおろし)、しょうゆ、みりんをかけて全体にからめます。ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で1分加熱します。
    • ピーマンも加え、鮭とともにタレをからめます。ラップをはずした状態でピーマンがしんなりするまで1分30秒〜2分加熱します。
      ※加熱時間は1人分の目安
    • 全体にタレをからめ、ごまをふってできあがりです

かぼちゃとベーコンのサラダ

かぼちゃとベーコンのサラダ
  • エネルギー:137kcal

  • たんぱく質:2.7g
  • 脂質:8.4g
  • 炭水化物:12.7g
  • 食塩:0.3g

コメント

甘いかぼちゃとベーコンの塩気、黒こしょうの風味が絶妙で、あと引くおいしさのサラダです。ベーコンのかわりにソーセージにしても、おいしくできます。

  • 材 料 (1人分)

    • かぼちゃ(冷凍)2カケ
    • ベーコン1/2枚
    • マヨネーズ大さじ1/2
    • 小さじ1/2
    • 粗びき黒こしょう少々
    • サニーレタス1/2枚
  • 作り方(調理機器:電子レンジ)

    • かぼちゃと、1cm幅の短冊切りにしたベーコンを耐熱容器に入れて、ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で1分〜1分30秒加熱します。
    • かぼちゃが柔らかくなったら、つぶしながら、熱いうちにマヨネーズ、酢、粗びき黒こしょうを加え、全体を混ぜ合わせます。
    • サニーレタスと盛り付けます。

エリンギの塩昆布和え

エリンギの塩昆布和え
  • エネルギー:33kcal

  • たんぱく質:1.7g
  • 脂質:2.2g
  • 炭水化物:3.9g
  • 食塩:0.4g

コメント

5分もあれば完成する、簡単でおいしい一品。不足しがちな食物繊維が摂れるのも、うれしいポイントです。エリンギのかわりにしめじにするなど、アレンジも楽しめます。

  • 材 料 (1人分)

    • エリンギ小1個
    • 小さじ1/2
    • 塩昆布2g
    • ごま油小さじ1/2
  • 作り方(調理機器:電子レンジ)

    • エリンギは縦半分に切り、さらに横に2〜3等分に切ります。包丁を使わず、手で割いても大丈夫です。
    • 耐熱皿にエリンギを入れて酒をかけ、ラップをかけて電子レンジ(600W)で1分加熱します。
      ※加熱時間は1人分の目安。
    • 水けをきり、熱いうちに塩昆布、ごま油と和えます。